2023年8月26日(土)~8月29日(火)黒部五郎岳・鷲羽岳(北ア)(B1)

投稿者: | 10月 1, 2023

(8/26)予定通り富山駅で集合し、タクシーで折立へ向かう。ジャンボタクシー代24,000円を支払い、予定より少し遅れ、10:05に出発する。ゆっくりと樹林帯の中を登っていくと、次第に展望が開け始め、有峰湖をはじめ、下界が見下ろせるようになってくる。雲はあるが視界は良好。雲のおかげで日差しが和らいでいるのがむしろありがたい。リンドウの紫が秋を告げている。さらに登っていくと、コバイケイソウが既に花を落とし、葉が黄色くなっている。遠目から見ると、まるで黄色い花畑があるように見える。なだらかな斜面に黄色いコバイケイソウをはじめ、やや黄色がかってきた草が季節はすでに秋になりつつあることを語っていた。草原風の風景は、いかにも牧歌的で、登ってきた私達の疲れをいやしてくれた。雨が降る前の到着を目指し、気持ち休憩を短くとりながら登り、太郎小屋に着くと間もなく雨が降り出し、雨に合わずに済んだことに感謝する。しばらくして雨が上がると、小屋の前からは、大きな薬師岳が一望でき、次への期待や、思い出話で話が盛り上がった。 (記 h)
(8/27)夜間に雷雨があり、霧に覆われた夜明けだったが、雨には降られずに出発。やがて霧が晴れ、雲の切れ間から山々が姿を現して、歓声を上げつつ上々の気分で歩く。なだらかな斜面は一面のチングルマとコバイケイソウ。咲いていたらさぞ美しいだろうと思うが、綿毛もまた可愛い。コバイケイソウの黄変した葉も遠目に美しい。長い木段を登ったピークから、薬師岳、水晶岳、鷲羽岳やこれから登る黒部五郎岳が一望できてやる気満々。劔岳、槍ヶ岳も顔を覗かせていた。池塘やリンドウの花を楽しみつつ歩き、北ノ俣岳手前のピークで朝食。次いで赤木岳は岩場の山頂を巻くルートとなっていたが、山頂に立つ人を見てつい登ってしまい、汗をかいた。すっかり晴天となり、中俣乗越から2つのピークを越えるといよいよ黒部五郎岳が眼前にそびえる。ここから300mの急登。疲れも出ており息が切れるが、絶景に励まされながら黒部五郎の肩に到着。重いザックをデポして山頂へ。ゴロゴロの道を10分程で登頂。笠ヶ岳方面はガスがかかってしまったが、270度の展望と眼下のカールに息を飲む。黒部五郎の肩で昼食をとり、黒部五郎カールへ下山開始。シラネニンジン、ウメバチソウ、アキノキリンソウが咲きコバイケイソウに覆われたカールに白い巨岩が点在し、いつまでも眺めていたい美しさ。名残惜しく下り樹林帯に入ると雷鳴があり先へ急ぐ。なかなか小舎が見えないうち突然大粒の雨が降り出した。レインジャケットだけ着て15分ほどで黒部五郎小舎へ到着、ずぶ濡れになったが、強力な乾燥室のおかげで靴まで乾かすことができ、快適に過ごすことができた。  (記 h)
(8/28)黒部五郎小舎を予定より早く4時35分に出発。晴れ。昨日の黒部五郎岳登頂がメインイベントではあったが、五郎の小舎から双六小屋までも長丁場な1日だからだ。まだ暗いが、大きな石の連なる急坂を登る。小一時間登ったところで夜も明け視界も開け稜線に出る。小広い場所で小舎の弁当を食べる。一面、朝露にしっとりした綿毛のチングルマ(稚児車)の群生がある。花の盛りのころはどんなに綺麗だろう。三俣の辺りから太陽が昇り雲もほぼなく景色が開ける。気分も上々だ!分岐から三俣山荘に向け巻き道を進む。案外時間がかかったが、程なく山荘に。ザックを山荘にデポし、サブザックで鷲羽岳に向かう。ますます天気は良くなり、日差しも暑くなってきた。鷲羽への登りはザレて急な道。それでも上り詰めていくと、見える山々がどんどん迫り来る。特に、ギザギザな、まるで悪魔が羽根を広げたかのような北鎌尾根を従えた槍ヶ岳の山容は圧巻!頂上まで約1時間、360度の景観は絶景~!! 何か大きい声に出して叫びたくなるようなゼッケー!! 名だたる百名山がぐるりと連なる「ザ・北アルプス」の風景は、言葉で言い表すことは非常に難しい。記念のスナップをバシバシ撮り、山荘へ戻る。支度を整え、今度はまた巨大な岩壁に見える三俣蓮華岳へ登り返す。日はますます高くジリジリと暑さが増していく、登りはキツい~、と思いきや、頂上直前でガスが湧いてきた。頂上では、イヤな予感の薄いガスの中の昼食。双六小屋も見え、巻道ルートもはっきり見える。さて、ゆるい坂道を登り丸山に出る。標識はなく、誰かがストーンサークルのように石を並べて書いた「丸山」があった。そして、なんと雷鳥の親子5羽に遭遇! カワイイ! 赤いアイシャドウがチャーミング! 白い冬毛がチラホラと見え隠れ。この天気だからか、また後で雨かいな…と思いながら、しばし写真タイム。ガスはますます濃くなり、双六岳頂上も真っ白。晴れていれば、ここからも槍ヶ岳がドッカーンと見えるはず…なんだが…残念。双六岳頂上付近は平らな一本道が美しい、がポツリポツリと雨粒が落ちてきた。やがてザーッと本降り。小屋まであと約20分の下りなのに、今日も雨にやられた。直滑降に下って小屋へ逃げ込み、無事に来られた今日の長い道のりを語り合いながら、生ビールで乾杯。大笑いの反省会となった。(記 s)
(8/29) 5:20のご来光を仰ぎ、予定より30分早めて5時半に出発。歩き出してまもなく始まる小池新道の稜線歩きは左右にアルプスの山々が続く絶景が雲一つない青空の下に広がる。左側に開ける北アルプス連峰は、槍ヶ岳、大キレット、ジャンダルムから焼岳まで、素人でも分かりやすい姿をくっきりと見せてくれて楽しい。小屋で用意してもらった炊き込みご飯の朝ごはん弁当は、出発から1時間ほど歩いた花見平で北アルプスを堪能しながら美味しくいただく。噂の鏡平山荘のかき氷は今回はパスし、鏡池で時間を使い、なんとか美しい「逆さ槍」を写真に収めようとあちこち立ち位置を変えて角度や高さを変えてベストショットを狙う。引き続き美しい北アルプスを楽しみながら進んでいくが、登ってくる人たちとのすれ違いや後ろからの追い抜きも多く、細い道・足元の悪い岩の上で5人パーティーが身を寄せ合って道を譲る場所を確保できない時は、お互いに距離を空けて歩く・早めに声を掛け合う、などの工夫を楽しみながらチームプレイで乗り切る。わさび平山荘では冷えたラムネやトマトやキュウリが売られており、目にも涼しく、それぞれ好きなものを購入して最後のエネルギー補給とする。最後の林道歩きは変わり映えのしない長くて暑い道のりであったが、予定より早めに登山口に到着していったん解散。新穂高温泉で汗を流してから予定通りのバスに乗り松本まで移動した。長くて短い、とても思い出深い4日間の縦走となった。(記 y)


<今後の同山域への計画に対してのアドバイス等>折立から新穂高温泉までのルートはほぼ整備されているが、黒部五郎小舎から三俣山荘へ向かうルート途中、片側切れたザレと岩場のミックスの個所は狭く行き交う際には注意が必要です。小池新道の下山時は新穂高温泉からの登山者のラッシュになるので、時間に余裕を見た計画が必要です。  (記 t)
<コースタイム>(8/26)富山駅(/8:30)=折立(9:50/10:05)-1550m付近(10:35/10:40)-あられちゃん展望台(11:00)-青渕三角点(11:30/11:35)-2011m地点 (12:25/12:35)-五光岩ベンチ(13:10/13:15)-太郎平小屋(14:00/泊) (8/27)太郎平小屋(/5:35)-北俣岳(7:30/7:40)-赤木岳(8:35)-中俣乗越(9:15/9:20)-黒部五郎の肩(10:55/11:00)-黒部五郎岳(11:10/11:20)-黒部五郎の肩(11:25/11:50)-黒部五郎小舎(14:05/泊) (8/28)黒部五郎小舎(/4:35)-三俣山荘(7:25/7:35)-鷲羽岳(8:58/9:15)-三俣山荘(10:05/10:15)-三俣蓮華岳(11:20/11:50)-双六岳(13:10/13:20)-双六小屋(14:10/泊) (8/29)双六小屋(/5:30)-花見平(6:30/6:55)-弓折乗越(7:05/7:15)-鏡平山荘(7:50/8:00)-秩父沢出合(9:40/9:50)-わさび平山荘(10:50/11:00)-新穂高温泉登山口(12:10/)
<参加者>5名