槍穂縦走(北ア)(C) 2025年8月1日(金)~ 4日(月)

投稿者: | 10月 9, 2025

(8/1)さわんど駐車場からタクシーで約20分、上高地バスターミナルに到着。快晴の空の下、河童橋を渡り、これから目指す穂高連峰を仰ぎ見て出発。これまで憧れて眺めていた山の頂へ、ついに挑戦する日がきた。
初日は槍沢ロッヂまで。梓川の清流を左手に見ながら、観光客で賑わう平坦な遊歩道を進む。緑が美しく、爽やかな風が心地よい。道中には、明神、徳沢、横尾とおよそ1時間ごとに山荘があり、徳沢園では名物のソフトクリームを味わい、ひと息ついた。横尾を過ぎると登山道らしくなり、苔むした静かな森が広がる。やがて槍沢ロッジに到着。個室に5人で宿泊し、お風呂で汗を流して疲れを癒した。明日の本格的な登りに備えて早めに就寝。      
(記 M)
(8/2)遠くから眺めるだけだった槍ヶ岳。今日はいよいよ登頂。皆の朝の準備がテキパキし予定より早く3:40にブラックスタート。しばらくは槍沢沿いの樹林帯を歩く。ババ平で今日の水を汲み小休止。槍沢大曲りを過ぎると槍ヶ岳の雄姿が姿を現す。近くに見えるがなかなか近づかない。道もだんだん岩稜帯になり傾斜も急になる。横に殺生ヒュッテをみながらしばらく歩き槍ヶ岳山荘。休憩後槍ヶ岳へ。たいした事ないという人もいるが、中々の険しい岩場で緊張を要する。山頂からは水晶、鷲羽、双六から笠ヶ岳まで北アルプスが一望できる。喜びもひとしおだ。槍ヶ岳下山後は明日の大キレットへ向けて3000mの稜線歩き。登山客もぐっと少なくなる。大喰岳、中岳、南岳とアップダウンを繰り返す。小屋近くの丘に登ると大キレットから北穂高岳への稜線が一望できる。周りの登山客と「あれが長谷川ピーク」「北穂高、険しすぎる」などと言葉を交わす。南岳小屋の夕食はバイキングで、山で不足しがちな野菜がしっかりとれてどれも美味しかった。不安と緊張のせいか寝付きが悪かったが疲れもあって夜半には眠りに落ちた。
(記 M)
(8/3)晴れ。南岳小屋で5時の朝食前に大キレット稜線と北穂高小屋までの岩稜を一望。お代わり自由の美味しい朝食で元気を蓄え出発。朝日を受けた笠ヶ岳を右手に岩稜帯を一気に下り、這松と岩稜の稜線を進む。途中から登り基調となりHピークのマーキングに長谷川ピークと気づく。切れ落ちた岩稜を跨ぎ、3点支持を意識しながらA沢のコルまで下る。そこからは岩壁を一気に北穂までの登り、途中足場確保の難しい箇所があるが登りきると飛騨泣きの案内あり、ここかと納得。岩稜登りとトラバースを繰り返して北穂高小屋に到着した時にはメンバー一同が安堵と達成感でハイタッチ。テラスでコーヒーやおやつでリラックス後に北穂高岳に登頂した。
涸沢岳に向かうが長い、涸沢槍を越える奥壁バンドを慎重にトラバースし、最低のコルからは涸沢カール越しに涸沢ヒュッテとその奥の前穂まで一望して一息、涸沢岳手前の切れ落ちた4連の梯子では各梯子間でシフトした足場が狭く慎重にホールドした。涸沢岳山頂からは東に涸沢カールを南に穂高岳山荘と奥穂高岳その奥にジャンダルムが望めた。無事、穂高岳山荘に到着し入ると程なく雨が降り出した。夕食まで玄関ホールで山談議を楽しみ、食事後7時に就寝。大キレット越えは高度感はあるがホールドもしっかりあり岩稜歩きを楽しめ、所々に咲くイワギョウの花々や北アルプスを見渡せる絶景にも大満足の一日であった。
(記 S)
(8/4)夜明け前に穂高岳山荘を出発。ヘッドランプの明かりだけを頼りに登る道は、周囲の様子が分からず緊張した。徐々に空が白み始め、岩やマーキングが見えるようになり少しずつ安心感が広がる。奥穂高岳に到着。周囲はガスに包まれていたが、一瞬だけ晴れ間がのぞいた。ジャンダルムの全景は見えなかったものの、穂高最高峰に立てたことに達成感があった。記念写真を撮り、次の目的地へと足を進める。大キレットをこの縦走のメインと考えていたが、今日も同じような緊張する岩場が続いた。吊尾根でも、目の前の岩に足場を確保しながら慎重に進む。紀美子平に荷物を置き、前穂高岳へ往復。ここもガスで展望は得られなかった。その後も気を抜けない岩場が続いたが、アドレナリンが出ていたのか、長くは感じなかった。それでも岳沢小屋に着いた時には、思わず安堵のため息が漏れた。小屋からは穂高が望め、しばし休憩。下山では、外国人登山者と多くすれ違った。観光客で賑わう上高地に到着。にぎやかな雰囲気の中で、今回の山行の終わりを実感した。
(記 K)

   

<今後の同山域への計画に対してのアドバイス等>
 今回、大キレット、涸沢岳、吊尾根、重太郎新道と北アルプス岩稜帯を縦走した。幸い好天で風も無かったことから、岩稜歩きを楽しむことができた。荒天(雨、強風)時に歩くことは勧めませんので、日程も含め計画時から複数の選択肢を持っておくことをお勧めします。なお、大キレット、涸沢岳は、アルプスの岩稜帯(八峰キレット、不帰キレット、剱岳等)を経験してから歩くのが良いと思います。

(記 M)
<コースタイム>
(8/1)上高地バスターミナル(/10:55)−明神館(11:45/11:55)−徳沢園(12:40/13:05)−横尾山荘(13:55/14:10)−槍沢ロッヂ(15:30/泊)
(8/2)槍沢ロッヂ(/3:40)−ババ平(4:10/4:20)−天狗原分岐(5:30)−槍ヶ岳山荘(8:05/8:25)−槍ヶ岳(8:45/9:00)−槍ヶ岳山荘(9:20/9:40)−大喰岳(10:15/10:25)−中岳(11:00/11:20)−天狗原稜線分岐(12:00/12:15)−南岳(12:35/12:40)−南岳小屋(12:45/泊)
(8/3)南岳小屋(/5:40)−A沢のコル(7:45)−北穂高岳(9:40/9:45)-涸沢のコル(11:05) -涸沢岳(12:10/12:25) -穂高岳山荘(12:40/泊)
(8/4) 穂高岳山荘(/4:00)-奥穂高岳(4:40/5:00)-紀美子平(6:10/6:20)-前穂高岳(6:40/7:15) -紀美子平(7:25/7:45) -岳沢小屋(9:30/9:55) -上高地バスターミナル(12:00/)
<参加者>5名