2024年8月1日(木)~8月5日(月) 悪沢岳 赤石岳 聖岳周回 テント泊(南ア)(B2)

投稿者: | 10月 3, 2024

(8/1)今回は、南アルプスの3座を周回する山行。山小屋やテントで3泊するが、まずは前夜の車中泊からスタート。新宿駅に20時に集合し、東名で新静岡ICを降りて2.5時間山道をくねくねと長い道のり。畑薙第一ダム夏期臨時駐車場に深夜1時ごろ到着後、仮眠。
(8/2)朝7:30に椹島ロッジ(登山口)行きのバスに乗車(予約制で東海フォレスト運営の小屋に1泊することが必要)。落石に備えたヘルメットを乗客全員が着用し、大井川沿いの険しい道(マイカー・路線バスが乗入れ不可)を約1時間乗車。途中、土木作業の方も多く山奥感がある。椹島ロッジは開けた広い敷地にキャンプ場、売店、レストラン、浴室、シャワーもあり施設は充実。準備を整え登山開始。林道を少し歩き、鉄塔のあるところまで急登。そこからも樹林帯の長い登りが続き、清水平では沢の綺麗な水に喉を潤す。夏山の長い登りでは水が欠かせない。手持ちの水も補給。見晴岩を経て千枚小屋の手前には駒鳥池が登山道から少し降りたところにあり、沼のような小さな池、閉ざされた空間の静寂を味わう。ほどなく千枚小屋まで約6時間長い登りを登り切る。千枚小屋は小屋前から富士山が見渡せ、マルバダケブキの黄色い花が咲き乱れていた。小屋組とテント泊組に別れ、テント泊組はテント設営後、小屋前でゆっくりと夕食をとり、1日目を終えた。(記 I)
(8/3)今日の行程は長い。ヘッデンスタートで千枚岳を目指す。徐々に空が白み始めた頃に千枚岳登頂。東の雲海の中に富士や奥秩父の山塊が浮かび日の出を迎え歓声があがる。西に目を向けるとこれから目指す荒川三山の最高峰である悪沢岳が朝日を浴びて輝く。ハイマツと岩稜帯、高山植物が咲く中、悪沢岳を目指す。緑と白と青に彩られたビクトリーロードを進んで登頂。頂上からは延々と続く稜線の遥か先に、これから目指す赤石岳が見える。悪沢岳からの下りは岩場となり足元は悪い。全員慎重に下る。途中、中岳避難小屋で小休止。天気がよく、布団干しが行われていた。その後中岳、前岳を踏んで荒川三山制覇! 赤石岳までのルートは荒川小屋までかなり下ったあと、登り返す。3,000mの稜線を歩く割には暑く、荒川小屋に着いたときは疲労も蓄積されていた。水も不足気味だったが荒川小屋の水場はチョロチョロ状態とのこと。何人かは水を購入して赤石岳を目指す。途中バテた時は皆でカバーしながら山頂に到着。疲労は相当溜まっていたが、赤石避難小屋で水分補給し小休止した後は気力も回復。今夜の宿泊地百間洞山の家までは長いが下りだ。長い歩程、寝不足、薄い空気。到着した時は皆ヘトヘトだったが、ふんだんに流れる冷たい川の水で汗を拭いて生き返った。(記 M)
(8/4)午後から天気が崩れるという予報のため、予定より早めに小屋を出発。ヘッドランプをつけて、ルートファインディングをしながら標高を上げていく。稜線上に出ても、霧で周囲は白一色。しかし、中盛丸山の山頂に到着した後、太陽が顔を出し、ブロッケン現象を拝むことができた。この後、天気は回復し、本日のハイライトである聖岳が姿を現し、これから登る長い道のりを実感する。その後に続く子兎岳、兎岳は可愛い名前にそぐわず、ハードな登りである。兎岳の三角点は山頂から5分程離れた場所にあり、山頂に荷物をデポして向かったが、ハイマツを漕いでいかなくてはならず、惜しくも撤退した。せっかく上げた標高を再び下げ、高山植物に癒されながら、ひたすら上を目指して歩き続ける。倶楽部の花であるゴゼンタチバナも発見。遂に聖岳山頂に到着するも、周りはほぼ雲で覆われ、前日に歩いた軌跡は見られなかった。奥聖岳まで足を延ばすが、ここでも視界はない。前聖岳に戻り、長めの休憩をとり、聖平小屋を目指して下りる。テント場の受付をしていると雨が降ってきたので、慌ててテントを設営。本日も歩行中に雨に降られなかったのは幸運であった。(記 S)
(8/5)午後から雨予報のため予定より早く聖平小屋を出発。橋を何度か渡りながら沢沿いになだらかに下る。滝見台に到着。正面に2本の滝と前聖岳、奥聖岳を望む。この晴天が昨日の登頂時に欲しかったと皆で話す。そこを過ぎると傾斜が急になりひたすら下る、下る。ところどころ崩れた足場の悪い箇所や踏板が反り返った鉄橋、崩れかけた橋などがあり、下山道のアクセントとなる。出会い所跡手前までほぼ休憩も取らず黙々と歩いた。聖沢登山口に到着した時には皆で歓声をあげたものの、その後はダンプカーが行きかう中の車道歩きが待っていた。椹島ロッジまで戻り、しばらくしたところで大雨となった。4日もの間山行中に雨具を出すことなく済んだ幸運を感謝。
(記 K)

  
<今後の同山域への計画に対してのアドバイス等>
・畑薙下記臨時駐車場は十分な駐車スペースがあるため、テントを張ることが可能。
・2024年現在、畑薙臨時駐車場から先へは、東海フォレストのバスしか運行していない。以前運行していた井川観光協会のバスはコロナ以降廃止されている。
・百間洞の家から中盛丸山への稜線に出るまでの道は、暗がりでは道間違いを起こしやすいので、注意が必要。足元を見ると、木の枝が置いてあったりするので、注意しながら歩くこと。
・兎岳から聖岳は、特に道が険しくなる。人通りも赤石岳までとは異なり少ない。
・聖岳-聖沢登山口間は崩壊個所が多い。昨年度もシーズン直前で崩落し復旧させていたので、要事前確認。崩落により、ヤマレコ、YAMAPとはルートが異なるポイントが発生している。今後、アプリのルートは修正されるであろう。(記 S)
<コースタイム>
(8/1)新宿駅(/20:30)=畑薙第一ダム夏期臨時駐車場(1:00/泊)
(8/2)畑薙第一ダム夏期臨時駐車場(/7:30)=椹島(8:40/9:00)-小石下(11:25/11:35)-清水平(12:45/13:05)-見晴岩(13:55)-駒鳥池(15:00/15:15)-千枚小屋(15:50/泊)
(8/3)千枚小屋(/04:10)-千枚岳(04:50/05:10)-丸山(06:00)-悪沢岳(06:30/06:45)-荒川中岳避難小屋(7:45/7:55)-中岳(8:00)-(8:05/8:25)-荒川小屋(9:20/9:40)-大聖平(10:15/10:25)-小赤石岳(11:55)-赤石岳(12:40)-赤石岳避難小屋(12:45/13:10)-百間平(14:35)-百間洞山の家(15:15/泊)
(8/4)百間洞山の家(/3:40)-中盛丸山(5:20/5:25)-子兎岳(6:10/6:15)-兎岳(7:05/7:20)-兎聖のコル(8:05/8:10)-前聖岳(9:40/9:50)-奥聖岳(10:10/10:15)-前聖岳(10:30/10:45)-小聖岳(11:30/11:35)-薊畑(12:20/12:30)-聖平小屋(12:55/泊)
(8/5)聖平小屋(/5:40)-滝見台(6:40/6:50)-乗越(7:40/7:45)-聖沢吊橋(8:50/9:00)-聖沢登山口(10:20/10:25)-椹島ロッジ(11:30/13:00)=畑薙第一ダム夏期臨時駐車場(13:55/14:20)=渋谷駅(21:45/)
<参加者>6名