針ノ木岳・蓮華岳(北ア)(B1) 2025年7月27日(日)~29日(火)

投稿者: | 9月 8, 2025

(7/27)長野駅東口25番乗り場から7時50分に出るアルピコ交通の扇沢行き特急バスに乗り、9時20分に標高1,421mの扇沢に到着。準備を整えて出発。針ノ木自然遊歩道に入り、舗装道路とショートカット用の山道を交互に進み、扇沢から30分程で登山道となる。樹林帯の中の登山道は風が無く蒸し暑いが、沢に出ると風が通っていて一息つける。小さな沢を何度か渡渉し標高1,681mの大沢小屋に着く。昼食を取り11時15分まで休息。そこから1時間程進み、日本三大雪渓のひとつである針ノ木大雪渓に着く。軽アイゼンとヘルメットを装着して1時間半以上雪渓を直登する。標高が上がるにつけ傾斜もきつくなるが、踏み跡から離れた所には、雪面に穴が開いていて雪解け水が下を流れ中が空洞になっている場所があるので注意が必要。それでも今年は昨年よりも残雪が多く、長く雪渓を登れたのは幸運であった(降雪の多かった今年は7月中旬までは針の木峠まで雪渓を登れたようです)。雪渓の途切れる手前で夏道に入る。昼過ぎからは雨の予報だったが降られること無く、最終水場を経て峠直下のつづら折りの砂地の登山道を登って15時15分に標高2,539mの針ノ木小屋(針ノ木峠)に到着。
(記 H)
(7/28)4時起床。晴れ。あたりは次第に明るくなりつつあり、淡い光の中、山はかすかにオレンジに染まっている。少し登ると、ちょうど今が盛りのコマクサが、岩場がほんのりとピンクに見えるほど咲き誇っている。登りは次第に緩やかになり、蓮華岳の山頂に到着する。360度の展望は、槍を中心とした長い稜線から水晶、薬師、立山、劔。北には鹿島槍の双耳峰がくっきりと見え、見渡す限り北アルプスの山々だ。下は一面雲海が広がっている。1日中ここにいて眺めていたい気分だったが、朝ごはんをささと食べ、後ろ髪を引かれる思いで頂上を後にする。一旦針ノ木小屋まで下り、花咲く稜線を登り返すと針ノ木岳に到着。そこからは厳しい岩場の登下降となる。特に、スバリ岳手前の最後の急登はがれ場で神経を使う。左に立山と劔、その手前に黒部湖を見下ろしながらの稜線散歩は、様々な花が目を楽しませてくれるが、道は切り立ち、なかなか進まない。温暖化で気温の上昇した稜線は、アルプスとは思えないほど暑い。熱中症厳重注意だ。気を抜くと滑落する岩場の急登を慎重に越えると赤沢岳に着いた。常に滑落や転倒に気を抜けない山道を12時間近くもかけて歩き、新越山荘に着いたのは、16時だった。
(記 H)
(7/29)居心地の良い新越山荘を後に、4時50分出発。岩小屋沢岳までの登りは1時間程、涼しい風と朝日を浴びながら、立山連峰と昨日歩いてきた針ノ木岳からの縦走路が見放題、なんとも贅沢だ。岩小屋沢岳からは下り基調だが、とにかく気が抜けない。片側は目が眩むほど切れ込んで滑り落ちそうな狭い下山道がこれでもかと続く。ハイマツ帯に入ると少しほっとして、色とりどりの高山植物が咲く、まさに花畑ロードの写真を撮りながら下りて行くと、上部に種池山荘が見えてきた。最後の登りを上がると小屋に到着。丁度荷揚げのヘリコプターが飛来しているタイミングで登山客は全員荷物を持って小屋内にしばらく待機。ここからは扇沢まで柏原新道を下る。小屋から程なく「落石注意」の看板の先に雪渓が残る個所があったが、小屋の話で崩壊個所の上部に切込を入れて通れるようにしてくれていた。下山とともに気温が上がり、休憩と水分補給をこまめに取りながら、登山口からの登山者と譲り合いながら、疲れもたまってきているので、ゆっくりと時間をかけて柏原新道登山口へと無事下山した。
(記 T)


<今後の同山域への計画に対してのアドバイス等>
大沢小屋は、営業していたが、宿泊はしておらず、アイゼンの貸し出し、飲料の提供のみであった。針ノ木雪渓は、亀裂やホールがあり、注意が必要。針ノ木小屋から新越山荘の間の尾根歩きは、木や岩等の日陰がなく、また、風も通っている箇所が少なく、熱中症対策が必要。更に、この間、水の補給箇所はないので、針ノ木小屋で十分な水分確保が必要である。スバリ岳から、新越山荘までは、登山者が少なく、登山道が、ハイマツ等に隠れ、見えない箇所があることから、足元には十分注意して登山することが重要である。種池山荘の手前で、熊の親子が出没したとの情報があったことから、十分注意しながら登山を行った。
(記 T)
<コースタイム>
(7/27)扇沢(/9:30)-大沢小屋(10:50/11:15)-針ノ木小屋(15:15/泊)
(7/28)針ノ木小屋(/4:50)-休憩(5:10/5:15)-蓮華岳(5:55/6:15)-休憩(6:25/6:30)-針ノ木小屋(7:05/7:35)-休憩(8:05/8:10)-休憩(8:38/8:43)-針ノ木岳(8:55/9:25)-休憩(9:55/10:07)-スバリ岳(10:32/10:45)-休憩(11:25/11:35)-休憩(12:05/12:10)-休憩(12:50/12:55)-赤沢岳(13:20/13:37)-休憩(14:13/14:23)-鳴沢岳(14:50/15:10)-新越山荘(16:00/泊)
(7/29)新越山荘(/4:50)-岩小屋沢岳(5:45/6:00)-種池山荘(7:50/8:15)-ケルン(10:30/10:40)-柏原新道(12:10)-扇沢(12:25/)
<参加者>5名